展示会の費用対効果を最大化する架電設計
展示会は短期間でリードが増える一方、「名刺は集まったのに商談にならない」「フォローが追いつかず放置になる」が必ず起きます。
この問題は“頑張り不足”ではなく、架電の設計不足で起きます。展示会リードは温度感が混ざるので、同じ追い方をすると必ずズレます。
本記事では、メールは一切使わず、架電だけでROIを最大化するやり方に落とします。
1. まず前提:展示会リードは「接点の深さ」で4分類します
展示会リードは、接点の深さで次の4種類に分けられます。深いほど商談化しやすい一方で、実態は接点が薄いリード(③④)が多くなりがちです。
- ① 深い会話:10分以上会話し、課題/ニーズを把握・次アクションが明確
- ② 軽い会話:立ち話・資料説明中心で、ニーズ未確定
- ③ 名刺交換のみ:挨拶程度/内容理解が薄い(でも宝の山)
- ④ QRのみ:会話ゼロで最も薄い(ただし母数として価値あり)
結論:展示会フォローは、①〜④で「架電の目的」を変えないと勝てません。
2. 多くの企業がハマる“3つの問題”
展示会投資が効かなくなる原因は、だいたいこの3つがセットで起きています。
- 1. フォロー対象の偏り(①②だけ追って、③④は未フォロー)
→ 商談母数が慢性的に不足します。 - 2. リソース不足で商談数が足りない
→ 育成すべき層に手が回らず、見込みが積み上がりません。 - 3. 対象部署外の担当者が多い
→ 名刺交換した相手が意思決定者ではなく、取次ぎが進まず工数だけ消えます。
だからこそ、展示会フォローは**「商談化」だけを追わず、③を“部署ルーティング”として扱う**のが肝になります。
3. 架電だけで回す:①〜④の“目的と台本”を固定します
①(深い会話):目的=「次の約束」を取る
①は最優先です。ここは迷わず日程打診まで必ず行きます。日程打診をしないのは「ゴール前まで行ってシュートを打たない」のと同じです。
Yes/Noではなく、A or Bで聞くと前に進みやすいです。
①の電話(例)
「先日の◯◯展示会でお時間いただきありがとうございました。当日お話していた◯◯の件、1点だけ確認したいことがありまして。もしよろしければ15分だけお時間いただけますか。来週だと木曜か金曜、どちらが取りやすいですか?」
②(軽い会話):目的=「深掘り」or「担当部署確定」
②は“説明電話”をすると失敗します。目的は1つだけ、次の一歩に進めるための確認です。
特に効くのは「担当部署の確認」です。ここが取れれば、②→①に引き上げられます。
②の電話(例)
「展示会で少しだけお話した件で、確認だけさせてください。御社だとこの領域はどなた(どの部署)の管轄になりますか?」
ここからが差分:③と④を“実務の分岐設計”まで落とします
③(名刺交換のみ):目的=「部署ルーティング」
(商談化ではなく“正しい窓口に着地させる”ための架電)
③でやることの定義(ブレ防止)
③は“売る”のではなく 社内の正しい窓口にたどり着くのが目的です。
成果は次のどれかが取れればOKです。
- 担当部署名が分かった
- 担当者名(できれば役職も)が分かった
- 取次ルート(代表→部署名→担当者名)が作れた
③の基本フロー(ハードル分割型)
いきなり「担当者名ください」と聞くと警戒されやすいので、部署→担当者の順で分割します。
ステップ0:正当性を出す(冒頭10秒)
- 「先日の◯◯展示会で名刺交換した件でご連絡しました」
- 「商談のお願いではなく、御社内の担当部署確認だけです」
ステップ1:まず担当部署を聞く(答えやすい質問)
- 「このテーマ(◯◯)は、御社だとどの部署が担当になりますか?」
ステップ2:部署が出たら担当者名(難しければ役職)
- 「ありがとうございます。もし分かれば、その部署のご担当者様のお名前も伺えますか?」
- 「お名前が難しければ、役職(課長クラス/部長クラス)だけでも大丈夫です」
ステップ3:次の行き先を確定して終える
- 「では、◯◯部の◯◯様宛てに改めてお電話します」
- 「お取次ぎの際に“展示会で名刺交換済み”と一言添えていただけますか」
③パターン別アクション(迷わない用)
③-1:名刺の人が“担当っぽい”(部署・役職が近い)
- アクション:本人に架電 → 上の基本フロー
- コツ:最初に「管轄合ってますか?」で当たり判定し、外れたら即「部署確認」に切替します。
- 「この領域、◯◯さんの管轄で合っていますか?」
- Noなら「では担当部署だけ教えてください」
③-2:名刺の人が“担当外確定”(総務/情シス/広報/人事など)
- アクション:商談ではなく「部署名回収」がゴール
- フロー:部署名 →(聞けたら)担当者名/役職
- 「この領域って御社だとどちらの部署が担当になりますか?」
- 「ありがとうございます。担当者名が分かれば伺えますか?難しければ役職でも大丈夫です」
③-3:名刺が薄い/部署も役職も曖昧
- アクション:本人依存をやめて代表で部署名回収
- 代表での聞き方:
1. 「展示会で名刺交換した件で、担当部署確認だけしたくて」
2. 「◯◯関連はどちらの部署になりますか?」
3. 「その部署の担当者名は分かりますか?難しければ役職でも大丈夫です」
③-4:部署は分かったが担当者名が取れない
- アクション:名前が取れなくても“部署に着地”すればOK
- 次の一手:部署へ直接架電して担当者名を聞きます
- 「展示会経由でご連絡です。◯◯の件で、こちらのご担当者様のお名前を伺えますか?」
③は「商談にしよう」とすると失敗します。部署→担当者の順で“ルーティングを作る”だけでROIが変わります。
④(QRのみ):目的=「追いすぎず、拾えるものだけ拾う」
(薄い層を“拾える形だけ拾う”=工数が溶けない設計)
④でやることの定義
④は会話ゼロなので、いきなり商談を狙うとズレます。
目的は次のいずれかです。
- 担当部署だけ把握する
- 担当者名まで取れたらラッキー
- 温度感(今期/来期/未定)を一言で把握する
④の基本フロー(ハードル分割型)
④は「なぜ連絡?」が起きやすいので、入口の説明が重要です。
ステップ0:QR登録の事実+“売り込みじゃない”宣言
-
- 「先日の◯◯展示会で、弊社ブースのQRから情報登録いただいた件でご連絡しました」
- 「商談のお願いではなく、担当部署の確認だけです」
ステップ1:担当部署の確認(まずここだけ)
-
- 「◯◯関連は御社だとどの部署の管轄になりますか?」
ステップ2:担当者名(取れたら取る)
- 「ありがとうございます。差し支えなければ、その部署のご担当者様のお名前も伺えますか?」
- 「難しければ役職だけでも大丈夫です」
ステップ3:温度感を1問だけ(必要なときだけ)
- 「ちなみにこのテーマ、今期で検討の可能性はありますか?それとも来期以降でしょうか?」
④は“軽く・短く・部署確認”が基本です。説明を始めると一気に営業電話化します。
④パターン別アクション
④-1:個人名+電話番号がある(拾いやすい)
- アクション:上の基本フローでOK
- 狙い:部署→担当者→(必要なら)温度感を一言だけ
④-2:会社名はあるが個人名がない(代表で部署名回収がメイン)
- アクション:代表に「部署名確認」だけで入る
- 「展示会でQR登録があった企業様に、担当部署確認だけしています」
- 「◯◯関連はどちらの部署になりますか?」
- 部署が出たら、担当者名(難しければ役職)を追加で聞きます
④-3:電話して「覚えてない」と言われる
- アクション:説得しない/部署確認に切り替える
- 「大丈夫です、登録いただいた方に一律で確認しておりまして」
- 「◯◯関連の担当部署だけ伺えますか?」
- 覚えてない相手に説明を始めると詰むので、目的を軽く保ちます
④-4:受付で止まる(担当部署が分からない)
- アクション:「担当者に繋いで」ではなく「部署名」を聞く
- 「◯◯はどちらの部署管轄ですか?」
- 受付に判断させない質問にすると突破率が上がります
4. 受付ブロックは「展示会の正当性」で下げられます(メール不要)
展示会フォローの強みは、普通のアウトバウンドより“正当性”があることです。
**「◯◯展示会で名刺交換をしておりまして」**と伝えるだけで、受付ブロック率は下がります。
担当外・決裁権なしで詰む場合は、ルートを変える(部署→役職→別部署)も有効です。
5. 数値で回さないと改善できません(展示会も“結果と過程”です)
展示会フォローは「今日は商談が取れた/取れなかった」で判断すると迷走します。
重要なのは、結果と過程を切り分け、数値からボトルネックを特定して改善することです。
展示会フォローで置くべきKPI(架電のみ)
- ①:日程打診率/商談化率
- ②:①化率(深掘り獲得率)
- ③:部署ルーティング率(部署名 or 担当者名回収率)
- ④:接続率(通電)+部署回収率(部署名が取れた率)+温度感把握率(今期/来期/未定)
6. ブラックボックス化を防ぐ:録音+Excel一覧で可視化します
外注・分業・リモートになるほど不安が増えるので、見える化が必須です。
通話録音データと、アポ/部署回収結果の一覧(Excel)をセットで残すと、感覚ではなく事実で改善できます。
まとめ:展示会ROIは「①の深さ」より「③のルーティング」で伸びます
展示会で得られるリードは、接点が薄い層(③④)が多くなりがちです。
だからこそ、①②だけ追うと商談母数が足りなくなります。
**③は部署ルーティング(部署→担当者の分割取得)、④は拾える形だけ拾う(軽い部署確認)**に設計し、展示会の正当性で受付を突破し、日程打診まで必ず行い、数値で改善する。これが、メール無しで展示会フォローを勝たせる実務設計です。
このような状況でしたら、
ぜひセグロスにご相談ください
- 名刺・リードは増えたのに、商談化が伸びない
- 展示会のリードで放置してしまっているものがある
- そもそもリソースが足りない
- 架電はしているが、どこが詰まっているか分からない
- 外注を検討しているが、ブラックボックス化や情報管理が不安
(外注すべきか/内製で直すべきかも含めて整理します)