営業が成果に繋がらない会社は、そもそも「量」ができていません
「量はやっているのですが成果が出ません」「質の問題だと思っています。」
この相談は本当に多いです。
ただ、現場を一緒に見ていくと、そもそも“質の議論ができる状態”になっていないケースが目立ちます。結論から言うと、成果が出ていない会社の多くは、営業活動の“量”ができていません。
ここで言う「量」は根性論ではありません。改善を回せる状態(= 検証できる状態)を作るための前提条件です。量が不足していると、良い施策も悪い施策も「たまたま」になりやすく、いつまで経っても答えが出ません。
「量をやっているつもり」の実態は、だいたいこうなっています。
よくあるのは、次のような状態です。
- 「架電100件/週」と言っていますが、実態は30〜40件です。
- 商談はありますが、薄い接触が多く、次の工程に進みません。
- 断られた理由が毎回バラバラで、改善ポイントが特定できません。
- その結果「トークが弱い」「資料が弱い」など“質の議論”に飛びやすくなります。
この状態の本当の問題は、「成果が出ないこと」そのものではありません。成果が出ない理由を切り分けられないことが最大の問題です。
まず固定すべきは「量の定義」です(ここが曖昧だと全てが崩れます)。
アウトバウンド(架電)で議論する場合、最初に定義を固定する必要があります。ここは、次の定義をそのまま使ってください。
- 架電数:全ての架電の数です(不在・不通なども含みます)。
- 通電数:担当者と接触できた数です(アポイント獲得、資料送付なども含みます)。
- 受付ブロック:受付から「営業はお断り」等の断りを受けた数です。
- 通電率:通電数 ÷ 架電数です。
- 通電後アポ率:アポ獲得数 ÷ 通電数です。
- アポ率:アポ獲得数 ÷ 架電数です。
これを固定すると、「頑張っています」「忙しいです」といった感覚の話ではなく、どこが詰まっているかを数字で話せる状態になります。逆に、この定義がない会社は、改善が“感想大会”になりやすいです。
「適切な量」はどう決めるのでしょうか?結論は「率」ではなく“絶対数”から逆算します 多くの会社がハマるのが、いきなりCVR(率)を目標にしてしまうことです。率を目標に置くと、数字を守る心理が働いて行動が止まりやすくなります。ですので、目標はシンプルにアポ獲得数(絶対数)に置きます。
必要な量は、次の2つの式で逆算できます。
- 必要通電数 = 目標アポ数 ÷ 通電後アポ率
- 必要架電数 = 必要通電数 ÷ 通電率
たとえば「週10アポ」を目標にして、現状が通電率20%、通電後アポ率15%だとすると、次のようになります。
- 必要通電数 = 10 ÷ 0.15 = 約67通電です。
- 必要架電数 = 67 ÷ 0.20 = 約335架電/週です。
ここまで落とすと、量の議論が一気に現実になります。逆に言えば、この逆算ができない状態で「質を上げましょう」と言っても、何をどう上げるのかが決まりません。
量がないまま“質の議論”に入ると、問題が増えるだけです。
量が足りない状態で質の話に飛ぶと、改善が散らかります。典型例は次の通りです。
- アウトバウンドもインバウンドも同じ営業をしています(導線の違いを無視しています)。
- トークスクリプトや資料を直しますが、検証できるだけの母数がありません。
- 説明員になっているのに、それが数字で見えません。
- 「お客さまはめちゃくちゃ困っているはず」と温度感を過大評価して重い提案になります。
どれも“ありがち”ですが、共通しているのは、量が足りないために、どの打ち手が効いたのか判断できないことです。その結果、改善のつもりが「迷走」になってしまいます。
量は目的ではありませんが、CVRの変化を見て“質”に昇華するための前提です。
ここが一番大事です。量を確保する目的は「気合い」ではありません。CVRの変化を診断に使い、打ち手を“質”として固定するために量が必要です。
運用はシンプルで構いません。
- まず量を確保します(逆算で架電数を決めます)。
- 2週間分、数字を取ります(通電率/通電後アポ率/アポ率です)。
- 改善は“1変数だけ”触ります(他は固定します)。
- 率が動いたら勝ちパターンとして固定し、それを“質”に昇華します。
そして、どこを触るかは数字で決めます。
- 通電率が低い場合は、リストの当て方、架電時間帯、受付突破の入口設計などが疑わしいです。
- 通電後アポ率が低い場合は、冒頭トーク、質問設計、次ステップの軽さ(温度感の合わせ方)などが疑わしいです。
- アポ率が低い場合は、上のどちらか(または両方)が詰まっている可能性が高いです。
このサイクルに入ると、営業は「属人」から「仕組み」に変わります。逆に、量がないとこのサイクルが回らず、営業は永遠に“個人の頑張り”に回帰しやすくなります。
まとめ:量がなければ、質の議論は始まりません
営業成果が出ないとき、多くの会社は「トークが弱い」「資料が弱い」「人が向いていない」と言いがちです。しかし、その前にまずやるべきことがあります。
- 架電数/通電数/受付ブロックを定義し、数字で語れる状態にします。
- 目標は率ではなくアポ数(絶対数)に置き、必要架電数を逆算します。
- CVRは目標ではなく診断として扱い、1変数ずつ改善して“質”に昇華します。
量は目的ではありません。しかし、量がなければ、改善はただの思いつきで終わりやすいです。成果が出ないと感じたときほど、「そもそも量は足りているのか?」から問い直すことが、遠回りに見えて一番の近道になるケースは少なくありません。
このような状況でしたら、
ぜひセグロスにご相談ください
- 営業の数字管理に不安がある
- 営業チームがなかなかまとまって動きづらい
- 量から質の転換と言われても何を変化させるかに不安がある
- そもそも量をするためのリソースが足りない
- 外注を検討しているが、ブラックボックス化や情報管理が不安
(外注すべきか/内製で直すべきかも含めて整理します)