公共事業の集客テレアポ攻略法5選|委託事業の事務局を担う会社の方へ

この記事でわかること
- 公共事業の電話集客が、民間の営業電話とどこが違うのか
- クレームを出さずに申込を増やすための5つの攻略法と、その理由
- 電話の外注先を、どんな目線で選び、どう数えればよいのか
このコラムは、次のような方に向けて書いています。
公共事業の電話集客には、民間の営業電話とは違う勝ち筋があります。この記事では、クレームを出さずに申込を積み上げるための考え方と、現場でそのまま使えるやり方を5つにまとめます。
前提:公共事業の電話は「営業」ではなく「事業の案内」です
最初に、ひとつ安心してほしいことがあります。公共事業の集客は、民間の営業電話と同じやり方で進めると、かえってうまくいきません。うまくいかないのは、担当者の腕の問題ではなく、やり方の前提が違うからです。
公共事業の多くは、次の三段の流れで動いています。
発注元
都や国、自治体が事業を決め、運営を委ねる
事務局の会社
ホームページの制作やセミナーの運営、専門家の手配を担う
電話を受け持つ会社
事務局から任され、案内の電話をかける
都の職員がホームページを作ったり、セミナーを運営したりすることはありません。学校や体育館の工事を、職員ではなく工事の会社に頼むのと同じ形です。事務局は運営の仕事で手一杯になるため、案内の電話をさらに外の会社に任せることも少なくありません。
ここで大事なのは、電話の中身が「営業」ではないことです。案内するのは、税金で運営され、相手の会社は一切お金がかからない支援です。
POINT
民間の営業電話と公共事業の電話の違いを、表にまとめます。
| 比べる点 | 民間の営業電話 | 公共事業の電話 |
|---|---|---|
| 電話のゴール | 商談の約束(アポ)を取る | 支援・セミナー・診断などへの申込、ホームページの案内 |
| 商談 | アポの後に営業担当が商談する | 商談を挟まない。電話で知らせ、ホームページを見てもらい、申込の画面から申し込んでもらう |
| 相手のお金 | 有料の商品・サービス | すべて無料 |
| お金の出どころ | 依頼した会社の売上 | 税金 |
| 名乗り | 依頼した会社の社名 | 事業の事務局として、正式名称で名乗る |
| 断られたとき | 本音を探って切り返す | 切り返さない。ホームページの探し方を伝えて、丁寧に終える |
| 一番大事なこと | アポの数と質 | クレームを出さないこと |
この違いを押さえたうえで、5つの攻略法を見ていきます。
申込の数より先に「クレームゼロ」を置き、引き際を決めごとにする
公共事業の電話で一番大事なのは、申込の数ではありません。クレームを出さないことです。申込の数は、その次に来ます。
理由ははっきりしています。苦情は、電話をかけた会社ではなく、発注元の都や国に届くからです。発注元は運営を委託先に任せているので、事情が分かりません。その結果「運営事務局はちゃんと仕事をしているのか」と事務局に苦情が戻り、事務局の評価や次の入札にまで響きます。
どれだけ申込を集めても、クレームが重なれば事業そのものを失いかねない。これが、事務局の方が一番恐れていることです。粘った電話がクレームになるまでの流れは、次のとおりです。
だから、粘りません。引き際は、電話をかける人の気分に任せず、全員が守る決めごととして先に決めておきます。押さえるのは次の4つです。
クレームを防ぐ、引き際の決めごと
断られたら言い返さない
「失礼いたしました」と受け止めたうえで、「東京都の事業でして、ホームページの検索方法だけお伝えしてもよろしいですか」と1回だけ聞く。それも断られたら、丁寧にお礼を言って終える。
「連絡してくるな」と言われた先には二度とかけない
同じ事務局が持つほかの事業とも、電話してはいけない会社を共有する。別の事業から同じ会社に何度も電話が行くと、それ自体がクレームになる。
折り返し先を事務局に集める
聞かれなくても、こちらから事務局の番号を伝える。相手が発注元に電話してしまう流れを、先に断つ。
途中で電話が切れたら、かけ直して謝る
怒られたときも、言い訳をせずにただ謝る。電話を切るまで、何を言われても怒らない。
それでも、相手が発注元に「怪しい電話があった」と問い合わせることはあります。たとえば、メールアドレスを伺おうとして断られ、そのまま発注元に問い合わせが入るといった場面です。
このとき効くのが録音です。録音を事務局と共有すれば、電話が丁寧だったことをその場で確かめられ、かえって評価につながることもあります。事務局と一緒に、再発を防ぐ手もすぐに打てます。
POINT
1回目は申込を取りにいかず、ホームページを案内して種をまく
公共事業の電話は、「営業ではないか」と「詐欺ではないか」の両方で疑われます。しかも事業の中身は込み入っていて、申込の項目も多い。急に電話が来て、その場で申し込む会社はまずありません。会社なら社内の確認が要るからです。相手が悪いのではなく、普通そうなります。
そこで、最初から2回電話する前提で設計します。1回目は事業の案内として入り、ホームページを見てもらうところで終えます(種まき)。申込の後押しは、2回目の電話で行います(刈り取り)。
1回目のゴールがホームページなのには、理由が2つあります。電話で説明するより中身が分かりやすいこと。そして、本物の都や国のページを見た瞬間に、詐欺ではないと分かってもらえることです。電話口で「東京都の事業です」と何度言うより、ホームページを見てもらう方が一瞬で伝わります。
案内のしかたは、口頭でもメールでもかまいません。たとえば次のように、検索の言葉を伝えて一緒にページを開きます。検索の言葉は、一番上に公式のページが出るものを事業ごとに決めておきます。
ホームページを案内するときの言い方
この種まきが効くのは、1回目の反応と申込が一致しないからです。1回目に興味がなさそうでメールだけ受け取った会社が申し込み、1回目に前向きだった会社がずっと申し込まない。これは、公共事業の電話でよく起きることです。断られた先にも、ホームページの探し方だけは伝えておきます。ホームページを案内しなかった先からは、申込はほとんど出ない傾向があります。
追う数字
トークをいじるより、電話をかける先を変える
申込が伸びないとき、まずトークを直したくなります。けれども公共事業の電話では、申込の率はトークではあまり動きません。動くのは、電話をかける先です。
担当者とつながるかどうかは、相手の会社の従業員の規模で決まります。つながった後に話が進むかどうかは、業種で決まります。たとえば、現場仕事が中心の業種に電話を重ねても申込が出なかった事業で、従業員の多い会社や製造業、士業へと電話先を切り替えたところ、申込が持ち直したことがあります。効いたのはトークの磨き込みではなく、狙う層の切り替えでした。
電話をかける先は、次の3つの物差しで決めます。
担当者とつながるか
決め手は、従業員の規模
小さい会社は担当外の人が出やすい。大きい会社は受付で止まりやすいので、名乗り方を工夫する
話が進むか
決め手は、業種
事業の中身と相性のよい業種から電話する。外れていたら並べ替える前提で優先度を付ける
名前で呼べるか
決め手は、営業リストの作り方
人材や働き方の事業なら、ハローワークの求人から営業リストを作る。採用担当の名前と直通の番号が分かる
営業リストは、事務局から渡される名簿をそのまま使うとは限りません。社名と市区町村しかなく、電話番号が無いことも多いからです。その場合は電話番号を付け、事業の対象の条件に合わない会社を外し、電話してはいけない先や重複を消すところから始めます。
もうひとつ大事なのは、担当者とつながる数そのものを減らさないことです。
POINT
申込期限が見えた時期に、ためた見込み先へまとめて電話する
公共事業の電話先は、期限が来るまで動かないことが多いものです。「今やった方がいいのは分かっているけれど」と思いながら、締切が見えるまで手を付けない。どの会社にも、よくあることです。これを営業の工夫で動かす必殺技は、正直ありません。その流れに合わせて動くのが一番の近道です。
だから電話の量の配り方を、時期で変えます。
事業の前半
種をまく
新しい先に電話し、ホームページを案内した見込み先をためていく
締切が見えてきたら
刈り取る
新しい先より、一度つながった先やメールを送った先への後追いに切り替える
締切の直前
申込が集まる
後半に電話した先から「今から申し込みます」という声が集まってくる
締切の直前に申込がまとまって届くのは、公共事業ではよくある流れです。区切りが見えたタイミングで電話を集中させるのが、一番効率のよい配り方になります。
期限の無い事業は「考えておきます」で止まりやすくなります。その場合は、残りの枠など、実際にある材料を使って背中を押します。ただし、使ってよいのは事実だけです。実在する締切、本当に残っている枠。期限をこちらで作ったり、事実か分からない言い回しで焦らせたりすれば、それ自体がクレームの種になります。
先着順かと聞かれたときの言い方
反対に、次のような言い方は公共事業では使いません。
- 「都内の企業様すべてにお声かけしています」のように、事実でないかもしれない言い回し
- 「前にもお送りしましたが、内容が変わりました」のように、確かめていない話
- 相手を煽って、危機感を持たせる言い方
電話の外注先は、事務局と同じ「事業責任者」の目線で選ぶ
事務局の方は、発注元に数字と説明を出す立場にあります。電話を受けた会社に都合のよい数え方や、電話の量の押しつけは、事務局が発注元に説明できません。ここがずれると、どれだけ電話をしても信頼は積み上がりません。
電話を外に任せるなら、外注の目線ではなく、事務局と同じ「事業責任者」の目線で考える相手を選ぶことが大切です。この事業を今月伸ばすには何が要るか。来年度や次の入札で、事業が続き大きくなっている形は何か。判断する材料が足りなければ聞きに来て、それでも無ければ自分たちで集計して材料を作る。そういう相手かどうかは、次の2つの場面で見分けられます。
NG 申込の数え方
電話した先から出た申込を、全部自分たちの数に入れる
OK 申込の数え方
事務局側の集計を正にする。受付で断られただけの先や、郵送の案内を見て申し込んだ先は、自分から外す
NG 電話の量の決め方
「もっと増やせます」と、電話の量を増やす話を外注側から切り出す
OK 電話の量の決め方
「増やせるか」ではなく「増やすべきか」で考える。事務局が受けられる量、予算、事業の期限を聞き、前倒し・繰り越し・減らす案まで並べて選んでもらう
数え方を外注側に不利な形でそろえると、かえって信頼が生まれます。電話と郵送の案内、どちらが効いたのかを分けて測れるようになり、事務局が「次にどこへ予算をかけるか」を決める材料にもなります。
量の話も同じです。電話の先がうまくいっていないのに、量だけ増やしてしまうのが一番まずい。電話にお金をかけられなくなり、事業の評価が下がり、予算が減る未来につながるからです。
事務局の方には、その先に説明する相手がいます。発注元への説明の下書きや、断られた理由を分類した資料まで、頼まれる前に用意してくれるか。型ができたら、トークや営業リストの作り方を文書にして渡し、事務局の中でも続けられる状態を目指してくれるか。こうした点も、外注先を選ぶときの物差しになります。
うまくいった例・いかなかった例
ここからは、実際の事業で何をして、何が分かったかを紹介します。特定を避けるため、事業名は伏せ、どんな事業だったかだけを書いています。
別の会社から電話を引き継いだ、中小企業向けの支援事業
状況
事務局が電話を任せていた会社とは別に、比べるためのお試しとして新しい会社が加わり、並行して進めた事業。最終的に、電話の全量が新しい会社に移った。
やったこと
言い回しや話の切り出し方を、録音を聞いて細かく見直し続けた。電話中にその場でホームページを開いてもらった。電話を終える前に「次に電話する日」を営業リストに残し、事務局のメンバーが拾って後追いできるようにした。
分かったこと
質を上げることと、見込み先を回収することの両方が効く。電話の記録を残しておけば、電話を終えた後も事業全体の数字に効いていく。
申込が出る筋を見つけたのが後半だった支援事業
状況
約束した電話の量はこなしたものの、申込の率が事務局の目線に届かず、途中で終了した。
起きたこと
前半は、現場仕事が中心の業種などに電話を重ねても申込が出なかった。従業員の多い会社や製造業、士業へと電話先を切り替えると持ち直したが、そのときには事業の後半に入っていた。
分かったこと
外の力は「後半の追い込み」より「最初の型作り」に使う方が効く。どこに電話すれば申込が出るのかを早い時期に見定め、型ができたら事務局で続ける順番の方が、事業全体の申込は伸びやすい。
電話をかける人を一気に増やした普及啓発の事業
状況
申込は積み上がっていたものの、電話をかける人を一気に増やした月に、担当者とつながる率も申込の率も下がった。
起きたこと
トークから外れた場面での受け答えを、新しく入った人に教えきれていなかった。
分かったこと
量を一気に増やす前に、少人数で試して型を固める。同じ人に続けて担当してもらう方が、質が保たれやすい。
公共事業の案内・申込獲得の支援事例は「公共事業の営業代行実績」にまとめています。
まとめ:公共事業の集客は「種まき」と「刈り取り」の設計で決まります
公共事業の電話集客は、1本の電話で申込を取る仕事ではありません。押さえるのは次の5つです。
公共事業の集客で押さえること
- クレームを出さないことを申込の数より先に置き、引き際を決めごとにする
- 1回目はホームページを案内して種をまき、2回目の電話で後押しする
- トークより電話をかける先を変え、担当者とつながる数を減らさない
- 申込期限が見えた時期に、ためた見込み先へまとめて電話する
- 電話の外注先は、事務局と同じ事業責任者の目線で選ぶ
この順番を外さないことが、攻略の近道です。
よくある質問
公共事業の集客を電話でやると、発注元にクレームが行きませんか?
公共事業の案内は、1回の電話で申込まで取れますか?
発注元に出す報告の数字は、どう数えるのがよいですか?
公共事業の集客を電話で進めたい方は 営業代行事業の詳細はこちら
このような状況でしたら、
ぜひセグロスにご相談ください
- 事務局の人手だけでは、発注元と約束した申込の数に届きそうにない
- 以前に頼んだ電話の外注で思うような数字が出ず、クレームも心配
- 事務局から渡された名簿に電話番号が無く、営業リストから整えたい
- 発注元に出す報告の形に合わせて、架電の記録や電話先の声をまとめてほしい
- 情報の管理や電話する環境に決まりがあり、外に任せられるか不安
(外に任せるべきか、事務局の中で続けるべきかも含めて整理します)