学校向けのテレアポ攻略法5つ|教育機関の新規開拓に悩む方へ

学校向けのテレアポ攻略法

この記事でわかること

  • 小中高・大学・専門学校で、決める人とお金の出どころがどう違うか
  • 学校・教育機関に話を聞いてもらい、導入まで進めるための5つの攻略法
  • 先生につながりやすい時間帯や、予算の時期に合わせた動き方

このコラムは、次のような方に向けて書いています。

「学校向けのサービスなのに、代表電話にかけると事務の方や教頭先生のところで止まってしまいます」
「現場の先生は乗り気だったのに、そこから先がまったく進みません。誰が決めているのかが分かりません」
「話が進みかけたところで4月に担当の先生が代わり、また一からやり直しになりました」

学校・教育機関への営業は、提案の良し悪しだけでは決まりません。相手の制度・予算・年度の仕組みに合わせられるかどうかに、大きく左右されます。この記事では、小中高と大学・高等教育に共通する考え方と、それぞれでの当て方を5つにまとめます。

前提:学校は「校種」と「設置者」で、決める人もお金の出どころも変わります

最初に押さえたいのは、「学校」とひとくくりにすると、誰に電話すればよいかが決まらないということです。誰が決めるかは、商品ではなく、教育段階と設置者でほぼ決まります。ここが営業の段取りを組むときの出発点になります。

教育段階 主な設置者 決める人・窓口の中心
小学校・中学校 市区町村(公立)/学校法人(私立) 市区町村の教育委員会/学校法人・校長
高等学校・特別支援学校 都道府県(公立)/学校法人(私立) 都道府県の教育委員会/学校法人・校長
大学・短大・高専 国立大学法人/公立大学法人/学校法人 事務局(管理運営)と教員(教育・研究)の二層
専門学校 学校法人・準学校法人など 事務局・校長(企業に近い決め方)

狙える数も、校種で大きく違います。2025年5月1日時点で、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などは合わせて約3万5千校。大学・短大・高専は合わせて約1,200校、専門学校は約2,700校です(文部科学省「令和7年度学校基本調査」)。小中高はほとんどが公立で、大学は私立が多数を占めます。

そして、公立と私立では判断のしかたが違います。公立は公費で動くため、単年度の予算・公平性・前例・説明責任が判断の軸になり、価格は入札で厳しく比べられがちです。私立や学校法人・大学法人は授業料などの自前のお金の比重が大きく、収支・ほかの学校との違い・学校の評判といった経営の目線で判断するため、相対的に決まるのが速くなります。

もうひとつの前提が少子化です。子どもの数も18歳の人口も減り続けていて、特に高校・大学・専門学校・短大では、学生募集・就職実績・学校の存続が経営の課題になっています。ここにつながる話ほど、関心を持たれやすい傾向があります。

POINT

学校営業は「どの学校に電話するか」より先に、「その校種では誰が決めて、どのお金で買うのか」を押さえることから始まります。

電話の前に「どの校種の、どの部署の予算で買えるか」を決める

よくある失敗は、商品の良さを伝えれば、どこかの先生が動いてくれるだろうと考えて電話を始めることです。学校では、使う先生がどれだけ気に入っても、その学校の中だけでは買えないことが少なくありません。

だから電話の前に、「このサービスは、どの校種の、どの部署の予算で買えるか」を決めておきます。最初から決裁する部署を名指しで狙えるかどうかで、その後の進み方が大きく変わります。

校種ごとに、決めているところはここ

公立の小学校・中学校

市区町村の教育委員会。教育委員会が導入を決めると、域内の全校に一括で入ることがある。1校ずつ回るより効率が良いことが多い。

公立の高等学校・特別支援学校

都道府県の教育委員会。学校の窓口はまず事務室になることが多い。

私立の小中高・専門学校

学校法人の理事会と、校長・事務局。学校の中で決裁が完結しやすく、経営の目線で判断される。

大学・短大・高専

全学に入れるものは事務局、研究や授業の中身は教員。どちらが主導するかはテーマで変わる。

このように見立てておくと、電話をかける先が変わります。全校一括を狙うなら教育委員会、研究室単位で使ってもらうなら教員、全学のしくみなら大学の事務局の該当部署です。商品から考えるのではなく、買える財布から考える。これが学校営業の最初の一手です。

使う人・決める人・払う人は別。現場の声を本部の決裁につなぐ

学校では、使う人・回す人・決める人・お金を払う人が別々です。ひとりの担当者だけで決まることは少なく、どこかひとつが止まれば話は進みません。

現場(先生・研究室)

実際に使う人。生の課題や温度感、誰が本当に困っているかが分かる

管理職・事務

校長・教頭は学校単位の決裁と校内のとりまとめ。事務は予算・契約・備品の現実を握っている

本部(教育委員会・理事会・大学の事務局)

導入を決める人。財政や法人がお金を払う。ここを通れば一括導入や全学導入につながる

だから、まず現場で課題と温度感と、話を動かす人を拾い、その声を材料に本部の決裁を口説くという二段構えで進めます。小中高なら、実務を取りまとめている教頭(副校長)が実質の入口で、ここで止まるか進むかが決まります。公立は教育委員会が本丸で、教育的な意味を見る指導主事と、制度・予算・調達の実務を担う担当課の両方に話が通っている必要があります。大学なら、教員に「使いたい」と言ってもらい、事務局に予算と手続きを通してもらう両にらみが基本です。

現場の先生につながるには、電話をかける時間にもコツがあります。先生は校種によって日中の在席のしかたが違うため、時間帯で通電のしやすさが大きく変わります。

相手 つながりやすい時間 押さえておくこと
小学校の先生 放課後〜夕方 学級担任制のため、担任は日中ほぼ授業に入っている。高学年では一部の教科で教科担任制が始まっていて、運用は学校や年度で変わる
中学校・高校の先生 その先生の空き時間 教科担任制のため、空き時間は時間割次第。狙う先生の時間割を踏まえて時間を選ぶ
公立高校の事務室 日中 最初につながるのは事務室が多い。私立に比べて、先生の名前や時間割を聞き出しやすい

通電できなかったときも、そこで終わらせません。「何時ごろならいらっしゃいますか」と在席の時間を聞き、営業リストに記録して管理していきます。この積み重ねで、次の電話が当たりやすくなります。

POINT

公立高校では、事務室で担当の先生の名前と在席時間を押さえられるかどうかが、効率を大きく左右します。受付は「止められる場所」ではなく、「次の電話の材料をもらう場所」と考えます。

機能より先に「学校が導入する理由」を、決裁者が上に説明できる言葉で渡す

学校で決裁する人は、自分の判断だけでは買えません。教育委員会・議会・理事会・保護者など、さらに上や外に説明する必要があります。だから提案で売るのは機能そのものではなく、「なぜ学校がこれをやるのか」という、決裁者が上に説明できる理由です。

NG 小中高への提案

「この機能で、こんなことができるようになります」

現場の先生には響いても、決裁する人が上に説明する言葉にならない。

OK 小中高への提案

「児童生徒の安全を守り、保護者への説明もしやすくなります。先生方の負担も減らせます」

安全・説明責任・働き方改革・保護者対応・補助金の活用。決裁する人がそのまま使える言葉。

NG 大学への提案

「他社より機能が多く、使いやすい仕組みです」

比べる材料にはなるが、大学が予算を付ける理由にはならない。

OK 大学への提案

「学生募集や就職実績につながり、採択された事業の目的にも沿います」

学生募集・就職・学校の評判・採択事業。経営の課題と公的な後押しにつなげる。

理由を伝えたうえで、担当者が組織の中で説明しやすい材料を渡します。現場の熱意を組織の決裁に翻訳するのが、学校への提案の本質です。

担当者に渡したい材料

ほかの学校・自治体の前例

「どこが入れているか」が、次の判断を後押ししやすい。

導入の効果を示す資料

費用に見合うか、何が変わるかを、上に説明できる形で。

予算の費目に合う見積もり

どの財布から出すお金なのかが分かる形にしておく。

年度内に収まる日程と検収の条件

稟議書や仕様書にそのまま使える体裁にしておくと、担当者が味方になる。

予算が固まる前の、前年の夏〜秋に先に入る

学校のお金は、公立も私立も単年度で動きます。新しい取り組みを予算に乗せるには、予算が固まる前、つまり前年の夏〜秋に情報を入れておく必要があります。固まってから提案しても、その年度には入りません。

4月の担当交代は、学校営業でつまずきやすいところです。それまでの前提がリセットされるので、年度をまたぐ話は、新しい担当の先生にもう一度つなぎ直す前提で進めます。

大学では、もうひとつの波があります。国が政策の課題に旗を振り、手を挙げた学校を採択してお金を配る補助事業です。新しい取り組みはこの補助事業に紐づくことが多く、採択されるかどうか、いつ採択されるかに、導入の時期が左右されます。採択が決まって事業を立ち上げる直後は、外部への発注が増える時期です。ここに打ち手を合わせます。

学期・試験期間・長期休業でも、現場の忙しさは大きく変わります。予算の波と、現場の繁閑の両方を見て、電話する時期を選びます。

1校の実績を、域内の全校・ほかの大学へ広げる

学校営業は、入口にたどり着くまでが長い代わりに、1件が大きく、横に広がりやすいのが特徴です。最初の1件を、次の1件につなげる設計をしておきます。

小中高
少額の試行で1校の実績をつくる → 設置者(教育委員会)の一括導入・入札・プロポーザルにつなげる → 域内の全校へ広がる
大学
1学部・1研究室で成功する → 全学に広げる → 「ほかの大学が入れている」実績で、ほかの大学へ広がる

必ずこの順番である必要はありません。相手によっては、最初から教育委員会や事務局に当てる方が早いこともあります。全校一括の面を狙うなら本部、現場の声と実績をつくるなら現場、と目的でルートを使い分けます。

教育界は横のつながりが濃く、近隣の学校、同じ規模の自治体、ほかの大学、研究会や協議会の人脈からの紹介が効きやすい業界です。1つの採用実績を、事例の共有・見学の受け入れ・一緒の登壇などを通じて、次の紹介・次の採用に変えていきます。

そして、国公立のように公的なお金で動く相手には、取り切る「攻め」よりも、事故を起こさない「守り」の方が評価されやすくなります。

公的なお金で動く学校で守ること

正確に伝える

費用・日程・できること・できないことを、誤解のない言葉で伝える。

記録を残す

いつ・誰と・何を話したかを残し、担当が代わってもたどれるようにする。

宛先や送付を間違えない

資料やメールの送り先の誤りは、それだけで信用を失う。

個人情報と公平性への配慮を先に示す

聞かれる前に、どう扱うかを示しておく。

小中高と大学・高等教育では、ここが違います

ここまでの話を、小中高と大学・高等教育で比べると次のようになります。同じ「学校」でも、決める人・お金・広がり方の単位が構造から違います。

比べる点 小中高 大学・高等教育
決める人 教育委員会・学校(財政も関わる)/私立は理事会 理事会・学長/事務局/教員(研究室)の二層
新しい予算の出どころ 国の施策・補助金。補助が付くと一斉に動き、切れると急に減る 補助事業(採択制)。採択されて動くことが多い
主な窓口 教頭・事務・情報担当の先生/教育委員会の担当課・指導主事 事務局の該当部署(情報・教務・入試広報・キャリアなど)/研究室
響く話 安全・説明責任・働き方改革・補助金の活用・保護者の満足 学生募集・就職・学校の評判・採択・ほかの大学の実績
買い方 入札/プロポーザル/随意契約。仕様を決める段階が勝負 入札/企画競争/随意契約/補助事業の受託など
間に入る会社 教材販売会社・文具商・地元のシステム会社が多い システム会社・代理店・大学どうしの連携での一括導入
広がり方 1自治体の採用 → 域内の全校 学内の部局 → 全学 → ほかの大学
決まるまでの長さ 長い(半年〜数年) さらに長い(何段もの稟議と採択の日程)

小中高では、出入りの業者の壁が厚く、すでに標準の道具が行き渡った分野は乗り換えの手間で止まりやすくなります。逆に、端末の更新・校務の電子化・保護者への連絡・安全の見守りのように、制度や補助金が追い風の分野ほど予算が付きやすく、時期も合わせやすくなります。大学では、「自分たちでやるべき」と考える先生や部局があることも頭に入れておきます。

教育関連での支援事例は「教育業界の営業代行実績」にまとめています。教育委員会を含む自治体への営業は「自治体営業の攻略法」で解説しています。

まとめ:学校営業は「誰が決めて、どの予算で買うか」を先に読めるかで決まります

学校・教育機関への営業は、相手の制度・予算・年度の仕組みに合わせられるかで結果が変わります。押さえることは次の5つです。

学校営業で押さえること

  • 電話の前に、どの校種の・どの部署の予算で買えるかを決める
  • 現場で課題と、話を動かす人を拾い、その声を本部の決裁につなぐ
  • 機能より先に、決裁する人が上に説明できる「導入する理由」を渡す
  • 予算が固まる前の、前年の夏〜秋に先に入る
  • 1校・1研究室の実績を、域内の全校・ほかの大学へ広げる

入口までは長くても、1件が大きく、前例が次を動かす業界です。誰が決めて、どの予算で買うかを先に読み、相手の年度に自分を合わせる。その積み重ねが、学校・教育機関の新規開拓の一番の近道です。

よくある質問

学校に営業するとき、誰に電話すればよいですか?
校種と設置者で変わります。公立の小学校・中学校は市区町村の教育委員会、公立の高校・特別支援学校は都道府県の教育委員会、私立は学校法人の理事会と校長・事務局、大学は全学のしくみなら事務局、研究や授業の中身なら教員が中心です。学校に直接かける場合、小中高では教頭(副校長)が実質の入口になります。
学校の先生に電話がつながりやすい時間はありますか?
校種で違います。小学校は担任が日中ほぼ授業に入っているため、放課後〜夕方がつながりやすい傾向があります。中学校・高校は教科担任制なので、狙う先生の空き時間に合わせます。つながらなかったときは在席の時間を聞いて営業リストに記録しておくと、次の電話が当たりやすくなります。
公立と私立の学校で、営業のしかたは違いますか?
違います。公立は公費で動くため、単年度の予算・公平性・前例・説明責任が判断の軸になり、教育委員会の採用が域内の全校に広がることがあります。私立は学校法人の中で決裁が完結しやすく、収支・ほかの学校との違い・学校の評判といった経営の目線で判断されるため、学生募集やブランドの課題につなげて提案します。

このような状況でしたら、

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  • 学校向けのサービスなのに、誰に電話すればよいか分からない
  • 現場の先生は前向きなのに、そこから先に進まない
  • 教育委員会や大学の事務局への当て方が分からない
  • 予算の時期に合わせた営業の段取りが組めていない
  • 外注したいが、活動の中身が見えなくなるのが不安
まずは現状を伺い、「どこで詰まっているか」と「次の一手」を整理します。

(外に任せるべきか、自社で直すべきかも含めて整理します)