新規事業テストマーケティングのやり方|本質は「本気で売りに行く」こと

新規事業テストマーケティングのやり方

この記事でわかること

  • 顧客の本音が出るのは「売りに行った瞬間」である理由
  • 本気で売りに行くテストマーケティングの進め方(ステップA〜C)
  • NG理由を営業要因とプロダクト要因に切り分ける判定ルール
  • MVPの決め方と、ロードマップの2分類

新規事業のテストマーケティングでよくある失敗は、「意見をもらいに行く」設計になってしまうことです。丁寧に見えますが、実務としては本音が取り切れないことが多いです。とくに既存顧客や関係性の近い相手に聞くと、相手は悪く言いにくくなりますし、角が立たないコメントになりやすいです。

私が一番大事だと思っているのは、意見を聞きに行くのではなく、本気で売りに行くスタンスで検証することです。

売る前提で話をすると、相手は初めて「社内で通るか」「予算が出るか」「今やる理由があるか」「導入リスクは何か」という購入判断の本音を出します。テストマーケティングで欲しいのは、まさにこの領域の情報です。

1. 顧客の本音が分かるのは「売りに行った瞬間」です

顧客の本音が出る条件はシンプルで、相手の頭が雑談から意思決定に切り替わったときです。そのスイッチは、次のどれかに入った瞬間に入ります。

01

価格や契約条件を出したとき

02

導入時期を詰めたとき

いつから始めるか

03

稟議の話に入ったとき

誰が決めるか/誰が反対するか

04

競合・代替案と比べ始めたとき

05

現場運用の負担を突いたとき

誰がやるのか/何が増えるのか

逆に、「どう思いますか?」「ご意見ください」は、相手に責任のないコメントを許します。だから本音が取り切れません。

NG 意見をもらいに行く聞き方

「このサービス、どう思いますか?」
「率直なご意見をください」

OK 売りに行く聞き方

「月額◯万円・来月スタートで進める場合、社内ではどなたの承認が必要になりますか?」

POINT

テストマーケティングの目的が「本音の取得」なら、会話の設計は最初から購入判断に寄せるべきです。

2. 「本気で売りに行くテストマーケティング」の進め方

ステップA
未顧客を中心に当てる既存顧客は優しいです。だから検証が歪むことがあります。未顧客(もしくは関係性が薄い見込み顧客)に当てて、ちゃんと断られに行くほうが情報は濃いです。ここで取れる断り方や本音が、あとで効いてきます。
ステップB
最初から買う前提の会話に入る必要なのはプロダクト説明ではなく、購入判断に必要な材料を揃えることです。
・価格レンジ(仮でも)
・提供形態(PoC・トライアル・本契約)
・導入までのリードタイム
・MVPの範囲(できること・できないこと)
・最初の導入ステップ
ここまで出して初めて、相手は「社内で通るか」を語り始めます。
ステップC
「内諾」を取りに行く「売れそう」ではなく、やると言わせる(内諾を取る)を取りに行きます。内諾が取れない状態で開発に突っ込むと、あとで「作ったけど売れない」が起きます。逆に言えば、内諾が取れるなら勝ち筋が見えています。

3. NG理由は「営業要因」と「プロダクト要因」に切り分けます

テストマーケティングで一番危険なのは、NGを全部「プロダクトがダメ」に寄せることです。

プロダクトコンセプトとコア機能が間違っていなければ、大半は営業でなんとかできる世界線だと思っています。だからこそ、NG理由は必ず切り分けます。

NG理由を営業要因とプロダクト要因に切り分ける分岐図
図:断られた理由を2つに分けると、次に何を直すべきかが決まります。

迷ったときは、次の実務ルールで判定します。

観察された状況 判定
同条件で営業だけ変えると動く 営業要因の可能性が高い
何社当てても同じ機能不足で止まる プロダクト要因の可能性が高い
「欲しいけど社内で通らない」が多い 多くは営業要因(稟議設計・資料・提案順)
「現場が回らない」が多い プロダクト要因の可能性が上がる(コア機能・運用)

4. プロダクトはMVPを決め、機能要望を「貯金」していきます

プロダクト側は、まずMVPを決めます。MVPは最低限お金を払ってもらえるラインです。

その後、要望機能を優先順位付きで貯めていきます。ここで重要なのが、要望機能を一括りにしないことです。ロードマップは、営業的には2種類に分けて考えるべきだと思っています。

A 営業上必要な武器(導入障壁を外す)

  • 稟議を通すための必須要件(セキュリティ、監査、権限管理)
  • 現場導入の必須要件(連携、運用負荷、移行)
  • 競合比較で負けるボトルネック

売るために必要なので、優先度が上がる

B 導入後に喜ばれる武器(継続・満足・アップセル)

  • 使い勝手の改善
  • 可視化・レポート・自動化
  • 周辺業務まで広げる追加価値

長期で強くなる領域

POINT

ロードマップの見せ方も重要です。「入れます」の連発は信用を落とします。少なくとも「確定/検討中/要望が多い」の3段階で見せると、約束が破綻しにくくなります。

まとめ:本音の取得と原因の分解がすべてです

  • 意見をもらいに行くのではなく、本気で売りに行く
  • そこで出てくるNGを、営業要因/プロダクト要因で切り分ける
  • プロダクトはMVPを決め、機能要望を貯め、ロードマップを「営業上必要な武器」と「導入後に喜ばれる武器」に分けて持つ

この3点が揃うと、新規事業のテストマーケティングは、ふわっとした検証から勝ち筋を作る検証に変わります。

よくある質問

テストマーケティングは既存顧客に聞いてはだめですか?
既存顧客や関係性の近い相手は悪く言いにくく、検証が歪みやすいです。未顧客(関係性の薄い見込み顧客)に当てて、ちゃんと断られに行くほうが、購入判断に関わる濃い情報が取れます。
「売れそう」という手応えだけで開発を進めてもいいですか?
危険です。内諾(やると言わせること)が取れない状態で開発に入ると、「作ったけど売れない」が起きます。価格レンジ・提供形態・導入ステップまで仮でも提示し、相手が「社内で通るか」を語り始める状態まで検証するのが安全です。
検証で断られたとき、プロダクトを直すべきか営業を直すべきか、どう判断しますか?
NG理由を営業要因とプロダクト要因に切り分けます。同条件で営業だけ変えて動くなら営業要因、何社当てても同じ機能不足で止まるならプロダクト要因の可能性が高いです。

このような状況でしたら、

ぜひセグロスにご相談ください

  • 新規事業に必要な顧客の声を満足に集めたい
  • 社内に新規事業立ち上げを経験した人材がいない
  • 現状、何が足りていないかが分からない
  • 営業を始めているが、正解かどうかに不安が残る
  • 外注を検討しているが、ブラックボックス化や情報管理が不安
まずは30分だけ現状を伺い、「詰まりポイント」と「次の一手」を整理します。

(外注すべきか/内製で直すべきかも含めて整理します)