営業で成果が出ない原因は「量」不足|必要架電数の逆算方法

営業で成果が出ない原因は「量」不足

この記事でわかること

  • 「量をやっているつもり」の会社で実際に起きていること
  • 架電数・通電数・通電率など、量の定義の固め方
  • 目標アポ数から必要架電数を逆算する計算式
  • 量を「質」に昇華するための運用サイクル

「量はやっているのですが成果が出ません」「質の問題だと思っています」。この相談は本当に多いです。

ただ、現場を一緒に見ていくと、そもそも質の議論ができる状態になっていないケースが目立ちます。結論から言うと、営業で成果が出ていない会社の多くは、そもそも営業活動の量ができていません。

ここで言う「量」は根性論ではありません。改善を回せる状態(=検証できる状態)を作るための前提条件です。量が不足していると、良い施策も悪い施策も「たまたま」になりやすく、いつまで経っても答えが出ません。

1. 「量をやっているつもり」の会社で起きていること

「量をやっているつもり」の実態は、だいたいこうなっています。

01

「週100件」のはずが、実態は30〜40件

宣言している量と、実際にかけている量がずれている

02

商談はあるが、次の工程に進まない

薄い接触が多く、商談の中身が積み上がらない

03

断られた理由が毎回バラバラ

母数が少なく、改善ポイントが特定できない

04

結果、「質」の議論に飛ぶ

「トークが弱い」「資料が弱い」と原因を決めつけてしまう

POINT

この状態の本当の問題は、成果が出ないことそのものではありません。成果が出ない理由を切り分けられないことが最大の問題です。

2. まず「量の定義」を固定します(架電数・通電数・通電率)

まず固定すべきは量の定義です。ここが曖昧だと全てが崩れます。電話営業(架電)で議論する場合は、次の定義をそのまま使ってください。

指標 定義
架電数 すべての架電の数です(不在・不通なども含みます)
通電数 担当者と接触できた数です(アポイント獲得、資料送付なども含みます)
受付ブロック 受付から「営業はお断り」等の断りを受けた数です
通電率 通電数 ÷ 架電数
通電後アポ率 アポ獲得数 ÷ 通電数
アポ率 アポ獲得数 ÷ 架電数

これを固定すると、「頑張っています」「忙しいです」といった感覚の話ではなく、どこが詰まっているかを数字で話せる状態になります。逆に、この定義がない会社は、改善が感想大会になりやすいです。

3. 必要な架電数は「率」ではなく絶対数から逆算します

「適切な量」はどう決めるのでしょうか。結論は、率ではなく絶対数から逆算します。

多くの会社がハマるのが、いきなりCVR(率)を目標にしてしまうことです。率を目標に置くと、数字を守る心理が働いて行動が止まりやすくなります。ですので、目標はシンプルにアポ獲得数(絶対数)に置きます。

目標アポ数から必要通電数・必要架電数を逆算する計算の流れ
図:「週10アポ」を目標に、通電率20%・通電後アポ率15%の場合の逆算例。

ここまで落とすと、量の議論が一気に現実になります。逆に言えば、この逆算ができない状態で「質を上げましょう」と言っても、何をどう上げるのかが決まりません。

4. 量がないまま「質の議論」に入ると迷走します

量が足りない状態で質の話に飛ぶと、改善が散らかります。典型例は次のとおりです。

  • こちらから電話する新規開拓と、問い合わせへの対応を同じやり方で進めている(導線の違いを無視している)
  • トークスクリプトや資料を直すが、検証できるだけの母数がない
  • 営業が「説明員」になっているのに、それが数字で見えない
  • 「お客さまはめちゃくちゃ困っているはず」と温度感を過大評価して、重い提案になる

どれもありがちですが、共通しているのは、量が足りないために、どの打ち手が効いたのか判断できないことです。その結果、改善のつもりが迷走になってしまいます。

5. 量を「質」に昇華する運用サイクル

ここが一番大事です。量を確保する目的は気合いではありません。CVRの変化を診断に使い、打ち手を質として固定するために量が必要です。運用はシンプルで構いません。

ステップ1
量を確保する逆算で架電数を決めます。
ステップ2
2週間分、数字を取る通電率/通電後アポ率/アポ率の3つで十分です。
ステップ3
改善は1変数だけ触る他は固定します。同時に変えると原因が分からなくなります。
ステップ4
率が動いたら固定する勝ちパターンとして固定し、それを「質」に昇華します。

そして、どこを触るかは数字で決めます。

落ちている指標 疑うところ
通電率が低い リストの当て方、架電時間帯、受付突破の入口設計
通電後アポ率が低い 冒頭トーク、質問設計、次ステップの軽さ(温度感の合わせ方)
アポ率が低い 上のどちらか(または両方)が詰まっている可能性が高い

このサイクルに入ると、営業は属人から仕組みに変わります。逆に、量がないとこのサイクルが回らず、営業は永遠に個人の頑張りに回帰しやすくなります。

まとめ:量がなければ、質の議論は始まりません

営業成果が出ないとき、多くの会社は「トークが弱い」「資料が弱い」「人が向いていない」と言いがちです。しかし、その前にまずやるべきことがあります。

  • 架電数・通電数・受付ブロックを定義し、数字で語れる状態にします
  • 目標は率ではなくアポ数(絶対数)に置き、必要架電数を逆算します
  • CVRは目標ではなく診断として扱い、1変数ずつ改善して質に昇華します

量は目的ではありません。しかし、量がなければ、改善はただの思いつきで終わりやすいです。成果が出ないと感じたときほど、「そもそも量は足りているのか」から問い直すことが、遠回りに見えて一番の近道になるケースは少なくありません。

よくある質問

営業の「量」を増やすのは根性論ではないですか?
違います。ここで言う量は、改善を回せる(検証できる)状態を作るための前提条件です。量が不足していると、良い施策も悪い施策も「たまたま」になり、どの打ち手が効いたのか判断できません。
必要な架電数はどうやって決めればいいですか?
目標アポ数(絶対数)から逆算します。「必要通電数=目標アポ数÷通電後アポ率」「必要架電数=必要通電数÷通電率」の2つの式で計算できます。例えば週10アポ目標で通電率20%・通電後アポ率15%なら、約335架電/週が必要です。
量を確保するリソースが社内にない場合はどうすべきですか?
外注(営業代行)も選択肢になります。ただしブラックボックス化や情報管理などのリスクもあるため、比較の判断軸を知っておくことが重要です。詳しくは「営業代行を比較するときに見落とされがちな判断軸」で解説しています。

このような状況でしたら、

ぜひセグロスにご相談ください

  • 営業の数字管理に不安がある
  • 営業チームがなかなかまとまって動きづらい
  • 量から質の転換と言われても、何を変化させるかに不安がある
  • そもそも量をこなすためのリソースが足りない
  • 外注を検討しているが、ブラックボックス化や情報管理が不安
まずは30分だけ現状を伺い、「詰まりポイント」と「次の一手」を整理します。

(外注すべきか/内製で直すべきかも含めて整理します)