大手企業に営業をかける時期の決め方|来年度の予算に載せたい方へ

大手企業に営業をかける時期の決め方 予算の時期から逆算する

この記事でわかること

  • 大手企業は、すぐに受注につながらない理由
  • 予算申請の時期から逆算して、当たり始める時期を決める方法
  • 大手企業の開拓での「種まき」の考え方と、電話で聞いておくこと

このコラムは、次のような方に向けて書いています。

「大手企業に営業をかけたが、なかなか受注につながらない」
「大手企業に提案したら、もう予算が決まっていると言われた」
「大手企業に、いつ当たればよいか分からない」

大手企業を開拓したいと考えて、思い立ったときに営業をかけても、なかなか受注につながらないことがあります。大手企業は、来年度の予算の中で、どこにいくら投資するかを決めているためです。

先に結論を書きます。大手企業は、思いつきでいつ営業をかけても、すぐに受注につながるものではありません。予算が決まる前に当たり、来年度の予算の土台に上げてもらう必要があります。そのために、決算月から逆算して、少なくとも3〜6か月前には当たり始めます。

大手企業は、思いつきで営業してもすぐには受注につながらない

大手企業は、来年度の予算の中で動く

大手企業で実際に導入が決まるのは、来年度になることが多くあります。最初に当たってから導入までの期間も、長くなりがちです。思いつきで営業をかけても、すぐに受注につながるものではありません。

年が明けてから大手企業に新しく営業をかけると、よく返ってくるのが次のような言葉です。

年明けに新しく当たったときに、よく言われること

「もう、来年度の分は検討できません」

提案の中身が悪かったとは限りません。相手の社内で、来年度の予算を組む時期が過ぎていただけ、ということがよくあります。今年度の途中で入れてもらおうとしても、予算の都合で来年度以降になることが多いのが、大手企業です。

予算が決まったあとの提案は、ひっくり返せないことが多い

来年度、どこにいくら投資するかが決まったあとに提案しても、それをひっくり返せないことが多くあります。予算が決まる前に、土台に上げておいてもらう必要があります。

OK 予算が決まる前に当たる

来年度の予算の土台に、上げてもらえる

NG 予算が決まったあとに当たる

投資先が決まっていて、ひっくり返せないことが多い

POINT

大手企業は、思いつきで営業してもすぐには受注につながらない。予算が決まる前に、来年度の予算の土台に上げてもらう。

予算申請の時期から逆算して、当たり始める

予算は、決算の3か月前、早ければ半年前から動き出す

予算申請の時期は、その会社の決算から逆算して決まります。決算の3か月前、早い会社では半年前から動き出しています。そのため、少なくとも決算の3〜6か月前には当たり始めたいところです。

まずは決算月から当たりをつける

予算の流れは会社ごとに違うので、厳密には相手に聞かないと分かりません。ただ、当たりをつけるなら、まず決算月を見ます。そこから逆算して、早めに半年前ごろに当たるのがよいです。

決算月の例 予算が動き出す時期
(決算の3〜6か月前)
当たり始めたい時期
(決算の半年前)
3月 9〜12月ごろ 9月ごろ
12月 6〜9月ごろ 6月ごろ

3月決算の大手企業を例に、1年の動きを並べると次のようになります。秋口から来年度の予算の申請が始まり、年内には固まることが多いため、秋の電話で種をまき、年内に会って予算の土台に上げてもらう流れになります。

決算月は、会社のホームページの会社概要に載っていることが多く、上場している会社なら決算を発表する時期からも分かります。営業リストを作るときに、決算月の欄を1つ足しておくと、当たり始める順番を決めやすくなります。

POINT

予算は、決算の3か月前、早ければ半年前から動き出す。決算月で当たりをつけ、早めに半年前ごろから当たり始める。

種まきとは、来年度売るために今から動くこと

まず土台に上げてもらい、知ってもらう

大手企業の開拓でいう種まきとは、予算が決まる前に当たり、来年度の予算の土台に上げてもらうこと、知ってもらうことです。

来月売るためではなく、来年度売るために動く

大手企業では、導入が来年度になることが多く、時間がかかります。来月売るために今動くのではなく、来年度売るために今から動き出すという考え方です。

すぐに売るための営業

ねらう受注:来月の受注
当たる時期:思い立ったとき

最初にしてもらうこと:導入を決めてもらう

種まき

ねらう受注:来年度の受注
当たる時期:予算が決まる前(決算の半年前ごろ)

最初にしてもらうこと:来年度の予算の土台に上げてもらう、知ってもらう

種まきは、1回の電話で終わるものではありません。大手企業の役職者に、最初から当たれることはまずありません。まず届く担当者から入り、そこから上の人へ、横の部署へと広げていく前提で動きます。話せた先にも、時期を変えて何度か接点を持ちます。

1つの部署に断られても、それはその部署の今の答えです。同じ会社のほかの部署が、来年度に向けて別の予算を組んでいることもあります。

POINT

種まきとは、予算が決まる前に土台に上げてもらい、知ってもらうこと。来月ではなく、来年度売るために今から動く。

期末には、余った予算で前倒しになることもある

期末に近づくと、余った予算を使いたい話が出ることがある

大手企業では、来年度に売れるという考え方は変わりません。ただ、まれに、取っていた予算を期中に使い切れず、余った予算で何かを導入したいという話が、期末に近づくにつれて出てきます。

土台に載っていれば、今年度に前倒しで導入されることもある

そのとき、来年度の導入で土台に載っていれば、「先に今年度、前倒しで導入してしまおう」という話が出ることもあります。そういう意味でも、まず土台に載せておくことが大事です。

期末は、「余っている予算はないか」と当たるのも有効

期末は何もできない時期かというと、そうではありません。余っている予算はないか、という当たり方は、それはそれで有効です。

期末の状況ごとの当たり方

来年度の導入で、土台に載っている

余った予算で、今年度に前倒しで導入されることがある

まだ当たっていない

「余っている予算はないか」という当たり方が有効

今年度の途中で動けるのは、多くの場合、前の年度のうちに予算を組んでいた会社です。前の年度に土台に載せておいた話が、期中や期末に動き出します。

余った予算の話になったときは、その予算で、期末までにどんな買い方ができるのかも確かめます。単発で入れられるのか、どんな形なら入れられるのかで、出す提案の大きさが変わります。

POINT

期末には、余った予算で今年度に前倒しになることもある。そのためにも、まず土台に載せておく。

種まきの電話は、「今すぐではない」を前提に話す

「今すぐの話ではない」と、先に言ってしまう

種まきの電話で、すぐの導入を決めてもらおうとすると、大手企業の担当者は身構えます。来年度の予算に向けた話だと分かっていれば、相手も話を聞きやすくなります。

そこで、相手が言いそうな断りを、こちらから先に言ってしまいます。「今すぐの話ではないと思うのですが」と先に置くと、相手は同じ理由で断りにくくなります。そのうえで、すぐの導入ではなく、情報交換の場としてお願いします。

種まきの電話での言い方の例

「今すぐの話ではないと思うのですが、ちょうど来年度の予算取りが始まる時期ですので、その参考にしていただければと思いまして。すぐのご導入ではなく、情報交換の場としてお時間をいただけないでしょうか」

時期ごとに、電話をかける理由を用意しておく

いつ電話をかけても、「なぜ今、この電話なのか」が伝わると、話を聞いてもらいやすくなります。どの月に何と言われても答えられるように、時期ごとの理由をあらかじめ用意しておきます。

電話をかける時期 伝える理由の例
新しい年度(4月) 新しい年度で、体制が変わる時期
人事異動のあと 前の担当の方が組んだ予算と、今のご担当のお考えに、ずれが出やすい
秋〜冬 来年度の予算を申請する時期。今は情報をそろえておく段階

アポにならなくても、予算と時期を聞いて残す

種まきの電話は、その場でアポにならないことも多くあります。それでも、予算を申請する時期、決める人、検討の流れが聞ければ、次に当たる時期が決まります。アポにならなかった先も、こうした情報を営業リストに残しておけば、来年度に向けた営業リストが、電話をかけるたびに厚くなっていきます。

POINT

種まきの電話では、「今すぐではない」を先に言い、来年度の予算に向けた情報交換としてお願いする。アポにならなくても、予算の時期と決める人を聞いて残す。

相手の予算の流れは、電話と商談で聞いておく

決算月で当たりをつけられるのは、あくまで目安です。予算の流れは会社ごとに違い、同じ会社の中でも、何に使う予算かで動く時期や決める人が変わります。工場や拠点の中の予算で決められる金額もあれば、本社で全社の予算として組むものもあります。

だからこそ、話せた相手からは、予算の流れを聞いておきます。予算の出どころが分かれば、どの部署に、どの時期に、どんな話を持っていくかが決まります。

予算の時期
来年度の予算を申請する時期と、固まる時期。情報を集める時期・検討する時期・最後に決める時期が、それぞれいつごろか
決める流れ
社内の会議で合意してから稟議を上げるのか、稟議だけで回るのか。最後に決めるのは誰か「例えば社内会議で合意があって、稟議をあげて部長様の承認次第だったりとか、他社様ではあったりするのですが、御社ではいかがでしょうか」
予算の出どころ
どの部署の、どの費用から出すことになりそうか。本社の予算か、工場や拠点の予算か
回る日数
稟議を上げてから決まるまで、ふつうどのくらいかかるか「通常どのくらいで回りますか」

聞くときは、「もし社内で導入するとなると」と前置きします。導入までの流れ、最後に決める人、その間で誰がどう承認するかを、探るためではなく、一緒に社内を通すための準備として聞きます。

大手企業の担当者から「稟議が大変で」と言われることもありますが、それが当たり前と考えておきます。担当者が社内で説明しやすい材料を、こちらからそろえていきます。担当者が社内で費用を通すときの進め方は「新規事業の営業費用を稟議で通す方法」でも取り上げています。

相手の種類が変われば、予算の流れそのものも変わります。大手企業と同じように、年に1回の予算で買う相手は少なくありません。たとえば健康保険組合は、秋に来年度の事業を選び、冬に予算を組み、2月ごろの組合会で決めることが多くあります。自治体は、夏から秋に各課が翌年度の予算を要求し、冬の査定と3月の議会を経て、4月から使えるようになります。

どちらも、秋のうちに来年度の話を終えていないと、次に入れるのは1年後になります。初めて当たる種類の相手なら、決算月だけで決めず、最初に話せた相手から予算の流れを聞くところから始めます。

POINT

決算月は目安。予算の時期・決める流れ・予算の出どころ・回る日数を、話せた相手から聞いておく。

うまくいった例・いかなかった例

大手企業や、同じように年に1回の予算で動く相手に当たった場面で、何をして何が分かったかを、会社名を伏せて紹介します。

うまくいった例

予算を申請する時期に合わせて、大手企業への電話を寄せた

状況

人事や経営企画の部署が窓口になるサービスを、従業員1,000人以上の大手企業に案内した

やったこと

来年度の予算を申請する時期に合わせて、10〜12月の3か月に電話を寄せた。窓口になりうる部署を1つに決めず、経営企画と人事企画の2つに当て、組織図や人事異動の情報で呼び出す部署を確かめた

分かったこと

「来年度の予算を確保した」という商談が、複数生まれた。予算を申請する時期に合わせて当たると、予算に載った状態の商談をつくれる。入口の部署を2つ持つと、当たれる相手も増える

いかなかった例

予算の時期が違う相手に、秋になってから当たった

状況

健康保険組合に向けたサービスで、秋から、同じように年に1回の予算で動く共済組合も相手に加えた

つまずき

アポも商談もできたが、すべて受注には至らなかった。理由は「予算編成の時期が、もう終わっている」「組合会の同意に時間がかかる」というもので、その年度は共済組合への電話を止めた

分かったこと

共済組合は、夏に事業の検討を始め、冬には予算を組み終えていて、健康保険組合より予算の時期が早かった。似た相手でも、予算の時期が同じとは限らない。当てる前に、相手の予算の流れを確かめる

いかなかった例

大手企業だけに絞ったら、当たる先が尽きた

状況

化学の業界で、「大手企業に当たりたい」という要望に合わせて、大手だけに絞った営業リストで電話をかけた

つまずき

大手企業は数が少なく、営業リストがすぐに尽きた。不在だった先に、何度もかけ直すことになった

分かったこと

大手企業は1回で決まる相手ではなく、種まきの期間も長い。大手に絞るなら、当たれる会社の数と、かけ直しの管理まで先に組んでおく

3つの例から言えること

どれも、電話の上手さより先に、相手の予算がいつ動くかと、その時期までに当たれる先がどれだけあるかが結果を分けています。

まとめ:大手企業の開拓は、予算申請の時期から逆算して種をまくことで、受注につながります

大手企業は、思いつきでいつ営業をかけても、すぐに受注につながるものではありません。来年度の投資先が決まったあとに提案しても、ひっくり返せないことが多くあります。決算月で当たりをつけ、少なくとも決算の3〜6か月前には当たり始めてください。来月ではなく、来年度売るために、今から種をまいておくことが大事です。土台に載っていれば、期末に余った予算で前倒しになることもあります。

大手企業を開拓するときに押さえること

  • 大手企業は、思いつきで営業してもすぐには受注につながらない
  • 予算が決まったあとの提案は、ひっくり返せないことが多い
  • 予算は、決算の3か月前、早ければ半年前から動き出す
  • 決算月で当たりをつけ、早めに半年前ごろから当たる
  • 来月ではなく、来年度売るために今から動く
  • 種まきの電話は「今すぐではない」を前提に、アポにならなくても予算の時期と決める人を聞いて残す
  • 決算月は目安。予算の流れは、話せた相手に聞いて確かめる

よくある質問

相手の予算の時期は、どうやって確かめればよいですか?
厳密には、相手に聞かないと分かりません。ただ、当たりをつけるなら、まず決算月を見てください。決算月から逆算して、早めに半年前ごろに当たるのがよいです。
予算が決まったあとに当たってしまったら、もう遅いですか?
その年度の予算をひっくり返すのは、難しいことが多いです。ただ、次の年度の予算に向けた種まきとして、知ってもらうことはできます。期末に近い時期であれば、余っている予算はないかを聞く当たり方も有効です。
すぐに受注につながらないなら、大手企業への営業は後回しでよいですか?
来年度に売るためには、予算が決まる前に当たっておく必要があります。後回しにすると、来年度の予算にも間に合わなくなります。すぐに受注につながらないからこそ、今から動き出すことが大事です。
種まきの電話でアポにならなかったら、意味がないですか?
意味はあります。予算を申請する時期、決める人、検討の流れが聞ければ、次に当たる時期が決まります。聞けたことを営業リストに残しておけば、来年度に向けて当たる先が、電話をかけるたびに厚くなっていきます。

業界ごとの支援事例は「業界別の支援実績」にまとめています。

このような状況でしたら、

ぜひセグロスにご相談ください

  • 大手企業に営業をかけたが、なかなか受注につながらない
  • 大手企業に提案したら、もう予算が決まっていると言われた
  • 大手企業に、いつ当たればよいか分からない
  • 来年度に向けて、今から種まきを始めたい
  • 大手企業の開拓を、長い目で進めたい
まずは現状を伺い、「どこで詰まっているか」と「次の一手」を整理します。

(外に任せるべきか、自社で直すべきかも含めて整理します)