既存対応で新規開拓まで手が回らないとき|既存と新規の分け方に悩む方へ

既存対応で新規開拓まで手が回らないとき 既存と新規の分け方

この記事でわかること

  • 新規開拓が後回しになってしまう理由
  • 既存対応は自社で回し、新規開拓を外に任せる分け方
  • どこまで任せるかの決め方と、任せる前に決めておく境目

このコラムは、次のような方に向けて書いています。

「既存のお客様の対応で手一杯で、新規開拓まで手が回らない」
「新規開拓をしたい気持ちはあるが、いつも後回しになっている」
「新規開拓を外に任せたいが、どう分ければよいか分からない」

新規開拓をしなくてよい、と思っている会社は多くありません。ただ、既存のお客様の対応で手が空かず、新規開拓の優先順位が下がってしまっている会社は多いはずです。

先に結論を書きます。既存対応と新規開拓は、どちらか片方だけやればよいものではありません。線を引いて、同時に進められるようにします。分け方は、既存対応を自社で回し、新規開拓を外に任せる形が進めやすいです。どこまで任せるかは、最初から決めず、相談しながら決めていけば十分です。

この記事では、新規開拓が後回しになる理由と、既存と新規の分け方、外に任せる前に決めておく境目、任せたあとの見方までをまとめます。頼む会社の選び方そのものは「営業代行の比較・選び方」に書いているので、あわせて読んでみてください。

新規開拓が進まないのは、手が空いていないから

やりたくないのではなく、優先順位が下がっている

新規開拓が必要だと分かっていても、目の前の既存のお客様の対応が先に来ます。手が空いていないために、新規開拓の優先順位が下がってしまう。多くの会社に共通する状況です。

比べる点 既存対応 新規開拓
急ぎかどうか お客様が待っているので、急ぎになりやすい 今日やらなくても、すぐには困らない
後回しにしたとき すぐにお客様への影響が出る 影響が見えにくい
結果として 先に手が付けられる 手が空くのを待つことになる

現場でよく見る、手が埋まっている姿

手が空いていない、といっても、その中身は会社によって違います。新規開拓が後回しになっている会社でよく見るのは、次のような姿です。

営業が1人しかいない

既存のお客様の窓口も、新しい相手への連絡も、同じ1人が受け持っている。その人が抜けると、代わりがいない

受注のあとの作業が重い

受注してから納めるまでの段取りを営業担当が抱えていて、受注につながらない追いかけほど後回しになる

若手が既存対応に追われる

新規開拓を任せたい若手が、既存のお客様の対応で手一杯になり、新規開拓の力が育たない

業界によっては、既存のお客様の対応で手が埋まる時期が、毎年決まっています。たとえば技術者を派遣する会社では、秋から春にかけて料金の改定の交渉と、配属先を決める営業が重なります(「技術者派遣の製造業への営業」)。手が埋まる時期が分かっているなら、その時期こそ新規開拓を外に任せておくと、1年を通して新規開拓が止まりません。

また、新規開拓を後回しにしている間も、取引先の事情は少しずつ変わっていきます。取引先が1つの業界や大口のお客様に偏っているほど、相手の事情や制度が変わったときの影響は大きくなります。

手があればやりたい。それなら、手を用意する

手が空けばやりたいと思っているなら、手を用意して進めましょう。既存対応か新規開拓かのどちらかを選ぶのではなく、両方を同時に進められる形を作ります。

POINT

新規開拓が進まないのは、やる気ではなく手の問題である。
手があればやりたいなら、手を用意して同時に進める。

既存対応は自社で回し、新規開拓を外に任せる

既存対応を自社に残す理由

既存のお客様とは、これまでの取引で築いた関係性や、やり取りがあります。それを全部外注先へ引き継ごうとすると、かなり大変な作業になります。そのため、既存対応は基本的に自社の社員で回す方が進めやすいです。

新規開拓は、外に任せやすい

新規開拓は、まだ取引のない相手に一から当たる仕事です。引き継ぐ関係性がないぶん、外に任せやすいと言えます。

比べる点 既存対応 新規開拓
相手 すでに取引のあるお客様 まだ取引のない相手
引き継ぐもの これまでの関係性や、やり取りの積み重ね 商材の情報や、営業リストが中心
担当 自社の社員 外注先

新規開拓を外に任せるときに渡すものは、思っているより少なくて済みます。今ある営業資料、商談の録画、お客様の特徴、よく聞かれる質問への答えくらいがあれば始められ、手順書を一から作る必要はありません。よく聞かれる質問への答えも、すべてに完璧に答えられる必要はなく、参考になる程度で十分です。

始めるまでの自社の手間も、連絡の手段や日程の決め方を話す打ち合わせと、営業リストと話し方を確かめる打ち合わせの、2回ほどで済むことが多いです。既存対応で手が埋まっている会社でも、新規開拓を外に任せる準備のために、既存対応を止める必要はありません。

POINT

既存対応は、関係性ごと自社で回す。
新規開拓は、引き継ぐものが少ないので、外に任せやすい。

どこまで任せるかは、相談しながら決める

最初から決めておく必要はない

どこまで任せるか、どこで線を引くかは、自社に残っている手と、頼む会社の守備範囲によって変わります。最初からすべてを決めておく必要はなく、頼む会社と相談しながら決めていけば十分です。

決め方に関わること 見ること
自社に残っている手 商談や追客に、自社の社員がどれだけ時間を割けるか
頼む会社の守備範囲 アポの獲得までか、商談や追客まで担当できるか

任せる範囲の例

自社の状況 任せる範囲の例
商談には出られるが、アポを取る手がない アポの獲得まで
商談に出る時間も取れない 商談や追客まで

最初は、今できている営業の延長から

任せる範囲を考えるときは、自社でまったくできていないことを、いきなり外に任せないことが大切です。社内に型がないまま外に頼むと、うまくいかなかったときに、何が悪かったのか分からなくなります。今できている営業の延長から始め、足りないところだけを手伝ってもらう形の方が、進めやすいことが多いです。

最初の打ち合わせで決めておく分かれ道は、主に3つです。今のやり方を直したいのか、とにかく数がほしいのか。アポまでか、商談までか。相手をアポの時点で絞るのか、商談で絞るのか。どれも正解は会社によって違うので、自社に残っている手と照らし合わせて決めます。そのうえで、任せる範囲は次のように段階を追って広げていけます。

POINT

任せる範囲は、自社に残っている手と、頼む会社の守備範囲で決まる。
最初から決め込まず、相談しながら決めていく。

外に任せる前に、既存と新規の境目を決めておく

既存対応を自社に残し、新規開拓を外に任せると決めたら、始める前に境目をはっきりさせておきます。境目があいまいなまま始めると、取引中のお客様に電話がかかってしまったり、取ったアポを誰も受けなかったりと、既存のお客様にも新しい相手にも迷惑がかかります。

始める前に決めておく境目

架電しない先の一覧

取引中のお客様、親会社やグループの会社、競合など、電話をかけてはいけない先を一覧にして渡す。この一覧が反映できれば、ひとまず始められる。

過去に接点のあった先の扱い

以前に商談した先や名刺を交換した先は、もう一度当たってよい先と、当たらない先に分けて渡す。相手の名前と部署が分かれば、電話の切り出しにも使える。

アポを誰が受けるか

取ったアポを自社の誰が受けるか、日程をどう押さえるかを決めておく。予定が重ならないよう、空いている日時が分かる形で共有する。

アポの後を誰が追いかけるか

商談のあと、資料を送った先や見積もりを出した先を、誰がいつ追いかけるかを決めておく。ここが抜けると、取ったアポが止まったままになる。

外の担当が電話で何と名乗るかも、先に決めておきます。自社の名前で名乗るのか、協力している会社として名乗るのかで、相手の受け止め方が変わることがあります。境目を決めたあとの、新規開拓の受け渡しの流れは次のようになります。

外の担当
架電しない先を外した営業リストで電話をかけ、アポを取る
日程
空いている日時から商談の日程を押さえ、自社の担当に伝える
自社の担当
商談を受ける。専門的な質問は、その場で答えるか、持ち帰って答える
追いかけ
商談のあとの追いかけを、決めておいた担当が進める
定例
どこで止まったかを、外の担当と一緒に見直す

既存対応で手一杯の会社ほど、気を付けたいのが、アポが増えすぎて受けきれなくなることです。新規開拓が動き出すと、商談の日程が既存のお客様の対応とぶつかり始めます。受けきれないほどのアポが一度に入ったり、価格や条件、資料の用意が追いつかなかったりすると、せっかくの新しい相手を待たせることになります。

そこで、月に受けられる商談の上限と、上限を超えそうなときに架電を緩める条件を、始める前に決めておきます。アポの量は月ごとにならし、自社の手の空き具合に合わせて増やしていきます。新規開拓を外に任せるのは、既存対応を崩さずに新規を進めるためなので、受ける側の手を先に見ておくことが大切です。

任せたあとは、定例で数と声を受け取る

新規開拓を外に任せたあと、自社の手を空けたいからと任せきりにすると、何が起きているのかが見えなくなります。週に1回など、曜日と時間を決めて定例を置き、数と声を受け取ります。定例は、報告を聞く場ではなく、次の手を決める場にします。

NG 報告を聞くだけの定例

架電の件数とアポの数を聞いて終わる。目標に届いたかどうかだけを話し、次に何を変えるかが決まらない

OK 次の手を決める定例

数字の良い点から見て、電話で聞けた生の声、相談したいことの順に話し、最後に次にやることを決める。目標との差より、前の月と比べてどこが変わったかを話す

電話で聞けた断りの理由や反応は、新規開拓のためだけのものではありません。既存のお客様からの紹介だけでは見えなかった、売れる相手と売れない相手、その理由が見えてきます。断られた理由も、差し支えない範囲で聞いて集めてもらうようにしておきます。

話す台本・営業リスト・通話の記録は、任せ終わったあとも自社の手元に残るようにしておきます。いずれ自社の社員で新規開拓を回すときの土台になります。

最初の定例でそろえること 中身
数の言葉 何を「通電」と数えるか、受付で断られた件数をどう分けるか、何をアポと数えるか。言葉がずれたままだと、同じ数字を見ても話がかみ合わない
率の分け方 電話がつながった割合と、つながった後にアポになった割合を分けて見る。どちらが低いかで、直す所が変わる
数字の見方 初めの週の数字は、狙う相手によって大きく変わるので、それだけで良し悪しを決めない。滑り出しが良すぎるときも、見込みの高い先から使い切るので、後半は下がる前提で見る

POINT

外に任せても、見えない状態にはしない。
定例で数と声を受け取り、次に何を変えるかを一緒に決める。

うまくいった例・いかなかった例

ここからは、既存と新規を分けて、新規開拓を外に任せた例を紹介します。特定を避けるため、会社名と商材の中身は伏せ、何をして何が分かったかだけを書いています。

うまくいった例

アポの獲得までを外に任せ、商談は自社で受けた

状況

新しく始めた業務向けのサービスで、新しい相手への架電の手が足りなかった。商談から先は、自社の担当が受けられる体制があった

やったこと

新しい相手への架電とアポの獲得までを外に任せ、その後の商談は自社の担当が受ける線を引いた。架電しない先の一覧と、ほかの経路と重なっていないかの確かめは、外の側で受け持った

分かったこと

線を先に引いていたので、結果を見ながら任せる量を段階的に増やすときも、自社の担当の役割を変えずに済んだ

いかなかった例

アポの後の追いかけを、誰がやるか決めていなかった

状況

アポの獲得を外に任せ、商談からは自社に引き継ぐ形で、1年ほど続けていた

やったこと

1年を振り返り、アポから先がどうなったかを見直した

分かったこと

商談のあとに自社へ引き継いだ先を誰も追いかけておらず、資料を送ったまま止まっている先が多かった。アポの後の追いかけを誰がやるかは、始める前に決めておく必要がある

いかなかった例

取引先が1つの業界に偏ったまま、新規開拓を始めた

状況

人材を紹介する会社で、取引先のほとんどが1つの業界に偏っていた。大口の取引先の対応に追われ、新規開拓に手が回っていなかった

やったこと

新規開拓を外に任せて始めた。話し方は何度も作り直し、長い提案の話から、短く伝える形に絞り込んだ。新規開拓の狙いも、取引先と同じ業界が中心だった

分かったこと

途中で制度が変わり、その業界での新しい受け入れが原則止まった。主力の営業先が一気に無くなり、ほかの業界に絞って続けたあと、一旦終了となった。取引先が偏っているほど、新規開拓は早めに、違う相手にも広げておく必要がある

3つの例から言えること

どの例でも、分かれ目は外に任せたかどうかより、既存と新規の境目と、アポの後の受け渡しを、始める前に決めていたかでした。また、取引先が偏っているほど、新規開拓は手が空くのを待たずに始めておく方が安全です。

まとめ:新規開拓は、既存対応と線を引いて同時に進めることで動き出します

既存対応と新規開拓は、どちらか片方だけやればよいものではありません。新規開拓が進まないのは、手が空いていないからです。既存対応は関係性ごと自社で回し、新規開拓を外に任せると、両方を同時に進められます。どこまで任せるかは、最初から決め込まず、相談しながら決めていってください。

既存と新規を分けるときに押さえること

  • 新規開拓が進まないのは、やる気ではなく手の問題
  • 既存対応と新規開拓は、どちらか片方ではなく同時に進める
  • 既存対応は、関係性ごと自社の社員で回す
  • 新規開拓は、引き継ぐものが少ないので外に任せやすい
  • どこまで任せるかは、最初から決め込まず相談しながら決める
  • 始める前に、架電しない先・アポを受ける人・アポの後の追いかけを決めておく
  • 任せたあとは、定例で数と声を受け取り、次に何を変えるかを一緒に決める

よくある質問

既存のお客様への対応も、外に任せられますか?
任せられないわけではありません。ただ、これまでの関係性ややり取りを全部引き継ぐのは、大変な作業になります。まずは既存対応を自社で回し、新規開拓を外に任せる形が進めやすいです。
任せる範囲は、頼む前に決めておく必要がありますか?
最初からすべてを決めておく必要はありません。自社に残っている手と、頼む会社の守備範囲を見ながら、相談して決めていけば十分です。
新規開拓を外に任せると、既存のお客様に架電してしまいませんか?
既存のお客様の一覧を共有し、営業リストから外しておけば防げます。始める前に、どの会社には架電しないかを頼む会社とすり合わせておきます。
外に任せた新規開拓のアポは、誰が受けるのですか?
多くの場合、商談は自社の担当が受けます。始める前に、誰が受けるか、日程をどう押さえるか、商談のあとの追いかけを誰がやるかを決めておきます。専門的な質問は、その場で答えられなければ預かって、自社の担当から答えるようにします。

業界ごとの支援事例は「業界別の支援実績」にまとめています。

このような状況でしたら、

ぜひセグロスにご相談ください

  • 既存のお客様の対応で手一杯で、新規開拓まで手が回らない
  • 新規開拓をしたい気持ちはあるが、いつも後回しになっている
  • 新規開拓を外に任せたいが、どう分ければよいか分からない
  • どこまで任せればよいか、相談しながら決めたい
  • 既存対応と新規開拓を、同時に進められる形を作りたい
まずは現状を伺い、「どこで詰まっているか」と「次の一手」を整理します。

(外に任せるべきか、自社で直すべきかも含めて整理します)